雁塔聖教序
唐 褚遂良(596〜658)
西安市南郊の慈恩寺境内、そこに市街を一望できる高さ64メートルの塔が建っています。『西遊記』でおなじみ玄奘三蔵がインドから持ち帰った大量のサンスクリット語の経典や仏像などを保存するために建てられたこの塔を大雁塔といい、一階の入口東に「大唐三蔵聖教序記」、西に「大唐三蔵聖教之序」の二碑が嵌め込まれています。書者は褚遂良、五十八歳の筆と伝えられています。
雁塔聖教序は行書のように流れる筆意と抒情性が特徴です。ちょうど楷書と行書の中間のような書風なので行書の入門編としてもおすすめな古典です。